疑問にお答えします!医師紹介会社へ『個人情報を渡すのが不安…』①




久しぶりに、先生からよくご質問をいただく内容についての記事です。

「個人情報」に関しては、医師の皆様にとってとても気になる問題ではないでしょうか。

医師は日本トップクラスのライセンスです。その分、価値は高くなります。
投資関係の営業とか、きっと面倒な営業電話が他の職種の方より多いですよね。
悪いことに利用されないか」、「幾つもの会社に個人情報を渡すのは抵抗がある
これは、当たり前の感情です。

個人情報の問題について今回は建前なしに本音でお答えします。

そもそも個人情報とは?

個人情報について詳しく申し上げるとかなり長くなるので、すみません。さくっと申し上げます。詳しい内容は政府広報オンラインでご覧いただけます。
ご存知の先生はとばしてください。

個人情報保護法って聞いたことありますよね?
これは、個人情報を取り扱う際のルールを定めた法律です。
以前は5,001人以上の個人情報を利用する事業者が対象でしたが、2017年から「個人情報を利用するすべての事業者」が対象になりました

個人情報は生きている個人に関する情報であって、「その人が誰なのかわかる」情報をいいます。

「携帯電話の番号」や「住所」だけでは「その人が誰なのかわかる」とは判断できませんが、「氏名と住所」など、他の情報と組み合わせることで「その人が誰なのかわかる」場合は個人情報です個人情報保護委員会より

なお、先生方が心配される理由の1つに「本来の目的以外で利用されないか」という点があるかと思います。

すでに取得している個人情報を、取得時と異なる目的で利用する際には、本人の同意を得る必要があります。
さらに、個人情報を他企業などに第三者提供する場合は、あらかじめ本人から同意を得る必要がありますので、先生の許可なく第三者に提供することは違反にあたります。
(ただし、業務の委託・事業の承継・共同利用は第三者にはあたりません)

また、社内の人間が個人情報を不正に持ち出し、第三者に提供して利益を得る行為は、個人情報データベース等不正提供罪(改正法第83条)に該当します。
1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が課せられ、当該従業者等の所属する法人にも両罰規定として50万円以下の罰金が課されます。(詳しくは弁護士法人アルテのページをご覧ください)

実は、以前の個人情報保護法では直接罰はありませんでしたが、昨年から施行した改正法では上記のような直接罰が盛り込まれました。

紹介会社に個人情報を渡しても大丈夫?

これは、各社の取り組みにもよりますので断言は出来ません。ここでは「先生方が想像するよりは大丈夫」との表現に留めさせてもらいます。

例えば、医師紹介会社を何十年もやっている会社や、医師の登録数が5千人を超えているような会社だと、かなり厳密に医師の情報は管理されています。
社員ごとに情報システムへのログインパスワードが振り分けられており、ログイン履歴や閲覧状況が管理されていたり、情報を取り出す権限を特定の社員にしか与えていなかったりします。

医師の登録数が少ない会社は、大手のように厳しいシステムは費用的に導入できないケースもありますが、そもそも社員が少ないので、社員の管理はしやすい状況です。
しかも、医師の情報がいくら貴重でも、おそらく医師の情報1件に何千円もしません。
登録数が少ない=売れる情報が少ない=そんなにお金になりません。
個人情報を漏らした社員は、会社から損害賠償を請求される可能性もあります。
ハイリスク、ローリターンなんです。

何よりも、個人情報の流出を最も恐れているのは紹介会社です。
上記でもご覧いただいたように、個人情報保護法は、罰則はあるものの決して重罪とまでは言えないと思います。
ですが、情報の流出が発生した場合、会社にとって大打撃です。
ベネッセの流出事件は皆様も印象に残っているかと思います。
特に医師の皆様は個人情報に敏感なので、一度でも情報が流出した会社に登録しようとは思わないでしょう。
また、医師という職種はマスコミも大好きなネタです。小さい会社でも大きく報道されるのではないでしょうか。
そうなると、もう会社はやっていけません。
先生たち以上に大ダメージを受けるのは紹介会社なのです。

なお、以前に発生したMRTとアイドクターのような、従業員が新しい紹介会社に情報を持っていくというトラブルは、正直に言うとけっこうありえます。
もし、身に覚えのない紹介会社から連絡がきた場合には、情報の取得経由を確認し、流出元に直ちに通知されてください

次回、「個人情報をあまり渡したくない」先生にオススメの対処法をご紹介します

ちょっと長くなったので、「そもそも個人情報をあまり渡したくない」という先生にオススメの対処法は改めてご紹介します。
今回の記事では、「生きている個人に関する情報でその人が誰なのかわかる情報は個人情報」という点と、「個人情報流出が最も怖いのは医師紹介会社」という点をおさえていただければと思います!

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