日本医学放射線学会より「画像診断報告書の確認不足等に関する医療安全対策についての見解」が7/19日に発表されました。
全容は、学会からのメッセージよりご覧いただけます。
相次ぐ画像診断報告書の確認不足等により治療開始の遅延が原因で患者が死亡した事例について見解を述べています。
その中では、報告書がなぜ主治医に認識されなかったのか、要因として考えられるものとして3つ挙げられていました。
1.情報量や画像診断の撮影件数の増加に対し、放射線専門医の増加が追いついていないこと
2.医療の高度化により専門分化が進んだこと
3.各医療者間のコミュニケーションの不足
また、上記以外にも、主治医のオーバーワークや、画像検査の高度化により結果報告書を容易に理解できなくなっていること等も述べられていました。
今回の相次ぐ見落としは、多くの要因が挙げられ、これが複合的な要因となって発生したものと考えられるとありました。
解決策としては、各医療機関ごとに画像診断報告書を必ずチェックする仕組みを電子カルテあるいはPACS上で構築すること、放射線科医も危機的所見や緊急を要する所見を画像上で発見した際には、ルーチンの報告手段以外の手段も試みることが挙げられていました。
主治医の予期しない所見を、放射線診断医が発見した場合の対応を一律に規定することは困難なため、これらについては、厚生労働省などと連携し、政策立案等を推進していく予定ともありました。
そして、日本医学放射線学会としては、「画像診断報告書を患者にそのまま提供するという対応方法を検討している医療機関もあるようですが、多くの患者は大量の医療情報を正確に把握し判断できないと思われます。また、医療上の責任を患者側に転嫁するかのような考え方は、医療人としては看過できません。」という立場も表明しています。
サイトでは、英国での取り組みも紹介されていました。
画像診断については、多くの診療科で関わってくる内容かと思います。
ぜひ、放射線科学会からのメッセージに、さらさらーっとでも目を通されてみてください。
コンサルタントも必見かと思います。
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