5月9日(水)の日経新聞の記事です。
埼玉県は県内7つの二次保健医療圏で計1638床分の病床をつくるための病院整備計画を募集する。
がんや脳卒中などの高度専門医療や周産期医療など、県内で不足する機能を担う医療機関の整備につなげる。リハビリする回復期機能を担う病床も募る。急ピッチで高齢化が進む県内の医療ニーズに対応する。第7次県地域保健医療計画に基づいて実施する。募集地域は春日部市や越谷市を含む「東部保健医療圏」や、川越市や東松山市などの「川越比企保健医療圏」など。秩父市やさいたま市、熊谷市などを含む3つの医療圏は既存の病床数が基準を上回っており、対象外とする。
応募条件は回復期病床のほか、高度専門医療や救急、周産期、緩和ケアなどの病床。
2021年3月末までの着工も求める。7~8月に病院の整備計画を受け付け、19年1月に決定する。県の推計では、団塊の世代が75歳以上になる25年には県内で約5万4200床が必要だが、15年時点と比べると約4200床が不足する計算だ。特に回復期や慢性期の病床が不足する見通しで、今回の病院整備計画で充足を図る。
URL https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30270640Z00C18A5L72000/
ということで、埼玉県の増床に関するニュースを本日は取り上げます。
詳しい病院整備計画の公募条件は?
募集の詳細は埼玉県のホームページより確認ができます。
詳しい病床の割り当ては下記の図をご覧ください。
単純に公募対象病床数だけみると、200床以上は、南部・東部・川越比企・利根です。
その中でも対象病床が多いのは450床の東部(春日部や越谷など)。
次いで325床の川越比企(川越や東松山など)になります。
応募条件については、新聞記事内に記載の通りです。
公募対象の病床機能は地域包括ケアや回復期リハ、緩和ケア、がん・脳卒中・心血管疾患に対応する高度専門医療施設、救急、周産期、緩和ケア病床です。
有床診療所もOKです。
2021年3月までの着工が原則となります。
計画の採用に関しては、病床の稼働状況(病床利用率)、医療従事者の確保計画などにより、病床整備の必要性、確実性が考慮されます。
ちなみに、新病院の開設に関しては、土地の確保ができていない場合でも応募OKです。
その場合は、取得見込、取得時期等を書類に記入します。
その他、病床機能に該当する具体的な内容はQ &Aのページよりご確認いただけます。
なぜ埼玉県は増床が可能なのか?
みなさんご存知のように国の方針では病床は削減方針です。
各都道府県ごとに目標が設定され医療計画を策定しますが、ほとんどの地域で病床削減の計画です。
ですが、埼玉県の場合は病床が不足し今後の高齢化に対応できない恐れがある地域として増床が許可されています。
埼玉県は人口は多いのですが人口に対する病床数が全国的にも少ない状況です。
そのため、過去の計画でも増床の施策が行われてきました。
埼玉県の増床に関するニュースを目にする機会も多かったのではないでしょうか。
有名なところでは、順天堂大学の関連施設ですね(着工は遅れているようですが・・・)。
対象エリアの求人状況は?
今回の対象エリアは、地域によって医師獲得状況も格差がある印象が私はあります。
東部エリアでは東京寄りの三郷市や草加市だと医師からの応募も比較的ありました。
ですが、春日部・越谷や川越比企エリアは求人を獲得は出来ても、なかなか医師は集まりにくかったですね~
上記のエリアだと、埼玉県内にお住いの先生のケースか、オペ麻酔やオペバイトご希望の先生のケースでないと厳しい印象でした。
給与相場は都内より1割~2割増しの高待遇の求人も多いのですが、それでも希望される先生は少なかったです。
今後の動きについて
病院整備計画の受付期間は、今年の年7月23日(月)~8月24日(金)までとなり、その後10月~11月(予定)の地域医療構想調整会議(応募医療機関の出席と説明、協議)を経て、来年1月に採用計画の決定予定です。
計画の採用には「医療従事者の確保計画」も条件に入っています。
それを考えると、開設に関しては大学関連施設やそれに準ずる機能のもつ医療機関でないと、手を挙げにくいかもしれませんね。
埼玉県の増床は過去にも実施されてきましたし、今回の動きもご存知の方は多かったかもしれませんが、紹介会社の社員は特に抑えておくべき動向かと思います。
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