今は監査時に調べたれたりするようで、医師の雇用契約書を作成する医療機関がほとんどですが、それでも非常勤については契約書作成の意識が薄い医療機関も多いです。
自院では非常勤雇用契約書の雛形が無く、紹介会社に作成してもらうケースも多々あるのではないでしょうか。
なので、非常勤の入職に関しては、医師紹介会社が作成した雇用契約書で代用することが多いです。
(常勤は雇用契約書を用意している医療機関が多いので、「内定通知書」を医師紹介側が作ることが多いかと思います)
また、非常勤に関しては常勤の契約書の内容の半分位の量。簡素な契約書が多いです。
ですが、私が今まで担当した医師の中で、一番 契約書のやり直しを行なった先生は常勤の先生ではありません。
実は非常勤の先生でした。
これは5~6年前の話です。先生は海外での留学&ご勤務経験のある方でした。
心がお優しくて気さくな、とっても素敵な女性の先生でした。
職探しのご希望条件がちょっと難しくて、職探しの途中は2人で一緒に悩み、相談し、泣いて、ようやく入職が決まった先生です。(先生の前では泣きませんが、裏ではポロっと目から汗が出ちゃうんですよね~)
コンサルタントとして、色々なドラマを経験をさせてもらった先生でもありました。
そして、ドラマは完結しいざ契約書の作成!と思いきや、そうすんなり話は終わりません…
先生は、残業時間はもちろんのこと、有給や休みについてや契約期間など、なかには常勤時でも盛り込まないような文言もあったり、かなり詳細な条件の契約書をご希望されました。
恐らく、5回位は契約書を修正したと思います。
(常勤でも多くて3回位。契約書作成前に条件はつめていて、それを雛形に当てはめていくだけなんで、意外と修正回数は多く無いんです)
もちろん、契約書作成に関しては医療機関側の了承も必要です。
そのため、都度 先方様へ「この箇所を、この文言に修正して良いか」と確認を行なっていました。
私は内心、「せっかく見つけた医療機関なのに話がダメにならないか」、「先生の印象が悪くなってしまわないか」とヒヤヒヤしてました。(もちろん、交渉には細心の注意は払いますけどね)
そして、先生にご了承いただける契約書が やっと出来上がり無事ご入職となりました。
作成時に先生と話した時の、先生の一言が今でも心に残っています。
「日本の医療機関は労働環境の意識が低いですよね。
人材を取り扱う御社ではこんなこと無いでしょ?」
と・・・
「いえ、私たちも全然意識低いです~(T ^ T)」
とは流石に言えないので、苦笑いをしてました。
当時の私は定時の感覚は全くなく、会社の暗黙のルールで残業時間が上限を超えないよう、実際の退勤時間ではなく規定の時間でタイムカードを押してました。有給も冠婚葬祭以外じゃ取得しません。
それが、会社のルールなので何の抵抗もなく従っていました。
その後は、労働時間への取り締まりが厳しくなってきたので、当時働いていた会社でも、随分 残業は減りましたけどね。
医師の労働環境については、別の深い議論が必要ですが、ブラックな人材紹介会社が紹介する医療機関なんて信用できないですよね?
そんな事を気付かされた先生からの一言でした。
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