医師紹介会社のご利用経験をお持ちの先生や、医療機関の採用担当者の方であれば一度は聞いたことがある用語だと思います。
匿名キャリアシートは面接前の書類審査みたいなものです。
その他にもコンサルタントが医療機関へ医師を提案する時にも使用されます。
匿名キャリアシートは、医師の個人が特定されないよう名前や住所、現勤務先は匿名にした上で おおよそのキャリアや保有資格を記載します。
医療機関側はそれを見て、具体的に採用のテーブルにのせることが出来るか否かを判断します。
(稀にですが匿名キャリアシート提出の段階から実名でもOKという医師もいらっしゃいます)
匿名キャリアシートは、①医師へ確認を取らずに医療機関へ提出する医師紹介会社もあれば、②医師の確認を取ってから医療機関へ提出する会社もあります。
①の場合のメリットは、医師紹介会社側の効率が良いという点です。
医師求人はオーダーメイドな側面があり、医師の情報を提出してはじめて求人を作ってもらえる施設があるので、どんどん提出した方が効率が良いのです。
デメリットとしては、医師がその医療機関を希望するか分からない、情報がもれるという点です。
②の場合のメリット・デメリットは、①と逆です。
医師紹介会社側の効率は落ちるものの、医師が医療機関へ興味を持っている状態でシートを提出するので面接に繋がりやすく情報の流出も最小限です。
ちなみに、私は基本的に先生の了承がない限り、匿名キャリアシートは医療機関側へ提出しませんでした。医療機関から求人を獲得できそうな可能性があれば、その状況を先生に説明し意向を確認してから提出していました。
実際に私が経験したことですが、先生に了承をとった後、ある医療機関に匿名キャリアシートを提出しましたら、すでに他社からシートを提出されていると言われました。
先生に確認したところ、その医療機関は他社から紹介を受けてないと返答がありました。
どうやら、その紹介会社は先生に確認せず条件の合うエリアの医療機関へ匿名キャリアシートをどんどん送っているようでした。
(私は②で進め他社さんは①のやり方で進めていたという状況ですね)
医師という性質上、少しの情報でも個人が特定されることはありえますし、
複数の会社から同じ医師の提案を受けた医療機関側は困惑してしまいます。
また、医療機関側の採用担当者より、他社から匿名キャリアシートの提出はあったものの、
その後の連絡はなしのつぶてという話もよく伺います。
恐らく、いくつもの施設にシートを提出しているので、1件1件に報告を入れることが困難になっているのだと推測できます。
医師からその後の連絡が途絶える場合もありますが、医師の確認を取らずに多数の医療機関へ
匿名キャリアシートを送っている会社は、きちんと事後連絡を入れないことが起こりやすいのです。
もちろん、長くコンサルタントに従事していれば、開示可能な情報の範囲は掴めるので、
匿名キャリアシートはどんどん提出した方が効率はいいです。
ですが、仕事探しを慎重に進めたい先生の場合、情報がもれてしまう可能性が高くなってしまうのも
事実です。
特に気にされない先生は問題ないですが、少しでも気になる場合は「匿名キャリアシートは自分に確認をとってから医療機関へ提出してください」と事前にご指定ください。
もしくは、応募前の匿名キャリアシートに記載する情報の範囲を指定することです。
その提案を嫌がる紹介会社は、どちらかというと効率重視の傾向です。
慎重派の先生には別の紹介会社の利用をオススメします。
○ 匿名キャリアシートは面接前の書類審査やコンサルから医療機関へ医師を提案する際に使用する
○ シート提出前に医師へ確認をとる会社もあれば、とらない会社もある
○ 情報の提出を最小限に留めたい先生は、シート提出について事前確認を指定する
もしくはシートに記載する情報の範囲を指定する
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