こちらの記事は医師採用担当者に新たに就任された方むけの記事です。
ベテランの方はスルーされるか、「自院ではこんな工夫しいるよー」というアイデアがあれば、メール・コメントを頂けると嬉しいです。
医師紹介のコンサルタントをやっていると、膨大な数の求人票を目にします。
お会いしたDrより、採用担当者より、何よりも多いのが求人票を目にした数です。
多くの求人票を見てきましたので、ちょっとした工夫によって求人票の魅力が変わってくることも知っています。
医師求人票どうやって作ったらいいんだ~!!
と、お悩みの採用担当者の方は、よろしければ一度お目通しください。
また、医師紹介会社の方でも社内マニュアルが無くお困りの方がいらっしゃれば、ご参考ください。
まずは、求人票の具体例です。
ちょっと簡単にサンプルを作ってみました。
どちらの求人が目を引きますか?
恐らく、多くの方はABC病院の方が目を引くと思います。
極端に差をつけすぎじゃない?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、大げさではありません。
なんなら、123病院の求人票より記載内容が少ない医療機関もあります。
ご自身が求職者(Dr)だった場合、どちらの求人に意識を向ける時間が多いでしょうか。
どちらの医療機関の方が、きちんとした印象を受けるでしょうか。
なぜ、そのような違いが現れるのか、
今回は、(1)~(7)について説明して参ります。
※病院名の下の点線枠は、別の機会に解説します。
Contents
非常勤求人票記載時のポイント
(1)のポイント:事細かに
例えば、今回のように日勤の内科外来ですと募集科目に迷うことは無いと思います。
しかし、もし療養病棟の当直だった場合はどうでしょうか。
内科系Drだけでなく、外科系Drでも内科初期対応可能であれば、募集科目は「内科」だけではなく「内科の初期対応可能であれば科目不問」とした方が該当するDrの分母は大幅に広がります。
その他、内視鏡求人の場合には、消化器内科でも消化器外科でもいいのか、消化器内科のみなのか細かく記載しましょう。
あと、難しいのが救急科や総合診療科の求人です。
救急科は専門医数が多い科目ではありませんし、総合診療科は2017年の7月にプログラム整備基準が学会から提示されたばかりです。
ですので、そのままの募集科目を記載しても医師からの問合せは少ないことが予想されます。
そういった場合は、募集科目を記載するだけではなく、実務経験の基準と一緒に検討可能な科目も記載した方が該当するDrの分母は広がります。
(例えば救急科の募集の場合、募集科目を救急科だけではなく、一般外科/卒後10年以上や救急の経験が1年以上のDr/非常勤の経験でも可、にするなどです)
リハビリや緩和ケアのDrも絶対数が少ない割に求人需要は高いので上記のような工夫が必要です。
ちなみに!
形成のDrは意外とバイト先が少なく困っている方もいらっしゃるので、皮膚科の募集で軽度な患者さんが多く問題ないと現場サイドが判断されるなら「皮膚科外来診療経験あれば形成Dr可」としてみてもいいと思います。
(2)のポイント:明確に
他の曜日は検討できない場合は、その旨も書いておくと、紹介会社から不要な連絡が減ります。
詳しくはこちら
訪問診療や当直求人ですと祝日も勤務になる可能性があります。
祝日が出勤になる場合は記載した方が後々のトラブルも減りますよ。
(3)のポイント:的確に
例えば、123病院のように「17:00くらい」と書かれてた場合、逆の立場ですと不安になったり、いい加減な印象を受けませんか。
医療の世界は時間通りにいかないことは重々存じております。
ですが、少しだけ文章を追加するだけで印象はガラリと変わります。
それは、ABC病院のように受付は何時終了なのか、受付時間と勤務契約時間が同じの場合は何時位に終了することが普段は多いのかを記載しておくことです。
さらに!
並診制で残業する必要がない場合、「残業なし」は魅力の1つです。しっかり記載してください。
なお、休憩時間は診療の合間になる場合でも極力記載した方が、きちんとした印象を受けますよ。
時給制の医療機関に関しては実働時間は給与に大きく関係するので必ず記載しましょう。
(4)のポイント:具体的に
具体的な勤務をイメージできるように記載しましょう。ABC病院くらいの量を書いてもらえると紹介会社側も助かります。(紹介会社によっては、もっと求められます)
カルテは電子カルテが良いというDrもいれば、紙カルテしか厳しいというDrもいます。
内科外来でも例えば前任Drの影響で糖尿病患者が多い場合は、不安になるDrもいらっしゃるかもしれません。
また、整形外科の場合は外来の患者さんではなく、リハのみの患者さんもいらっしゃいます。
そういった点も具体的に記載した方が、より勤務イメージは具体的に描けます。
なお、麻酔科や内視鏡、透析などの求人はちょっと特徴があるので、またの機会にご紹介します。
(5)のポイント:正確に
細かいですが、給与は漢字ではなく数字で書いてもらった方が私は有り難かったです。
これは断言は出来かねますが、様々な医師求人サイトを見ていても、比較的数字表記の方が多いんですね。
給与のミスは信頼関係に直結します。
そういったことがないよう、できればコピペで自社のデータベースに入力したい項目です。
ここは無理にとは言いませんが特にこだわりがなければ、数字をオススメします。
そして、給与交渉の余地がない場合は、その旨を盛り込んでいた方が医師紹介会社からの不要な連絡(交渉)は減ります。逆に給与交渉がOKの場合には条件をしっかり書いておきましょう。
(例:病棟コンサルも可能であれば、日給90,000円まで検討可 など)
なお、残業代についても明記しておいた方が、きちんとした印象に映ります。
残業代が発生しない場合についても、最初から書いておいた方が良いです。
(例:残業代も日給に含む など)
ただ、残業代が出ないというのは昨今の流れからあまりオススメできません。日常的に残業が発生する場合は、そもそも契約時間を長くするか日給を減らし残業代を明確にするかの方が誠実な印象です。
最後に、現在は税込給与がメジャーだと思いますが、手取り額の場合は、しっかり書きましょう!
当然ですが、手取り額の80,000円と税抜きの80,000円では額が全く違いますので!
(6)のポイント:丁寧に
支給の幅は丁寧に書き込みましょう。
上限の有無、支払い範囲(公共交通機関利用分のみか、ガソリン代や高速代は出るのか、駐車場は無料で利用できるのか)等です。
また、新幹線やタクシーが利用できる医療機関や、前泊も可能な医療機関はしっかり書いておいた方がいいです。
紹介会社側の提案できるDrの幅が増えますよ。
(7)のポイント:正直に
どんなに紹介会社側がDrを提案してきても、「こればっかりは譲れない!」という条件があれば書いておいた方が、お互いの為です。
(ただ、あまりにも条件が厳しいとDrの提案数が減るのでご注意ください。)
例えば、多いのはDrの年齢や性別のご希望です。
紹介会社側もそれを参考に条件に合致した医師を紹介します。(ただし、男女平等均等法などの問題で医師紹介会社側は求人サイトなどで表立っては対象性別や年齢を書かない場合は多いです)
また、トライアル勤務の希望や入職時期など、勤務条件以外に希望や注文がある場合も記載してください。
上記で申し上げたポイント1~7を抑えるだけでも、求人票の印象、医師紹介会社側からの貴院の印象は変わります。
これから求人票を作る担当者の方は面倒だなと思われるかもしれませんが、何事も慣れです。
(私もサンプル作るのは全然苦ではありませんでした。むしろっその10倍この記事の文章を書くことに時間かかりました。汗)
また、一度作ってしまえば、それを参考に 次回からはチョチョイノチョイっと作れますよ。
お忙しい中で求人票を作るのは大変だと思いますが、大きく深呼吸をして、集中してガツッと作ってみてください!!
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